第6回 カロリーにこだわる

 前回のこのコラムでは PFC についてお話しましたが、今回は実際、市場で販売されている身近な食品について表示から読み取れる情報で考えてみました。今回は特に昼食などでよく利用される、いわゆる「中食」のお弁当やパンについて調べてみました。

 まずは、こちらをご覧下さい。一般的なもので食品栄養表示の記載があるものから適当に選んできました。下記の栄養表示中の数値は、パッケージに記載されたそのままのものです。 PFCバランスの数値(%)は、それを元に私が計算したものです。(計算方法に関しては、「第9回健康レポート」をご覧ください。)

さて、いかがでしょうか?まず、パンの方ですが、いわゆる菓子パンは 1 個でもしっかりカロリーはありますね。例えば、ここに掲げる「あんぱん」と「アップルパイ」、それに飲み物として牛乳( 134kcal / 200g )を加えて昼食とすればそれだけで 1000kcal を超えてしまいます。実際昼に菓子パンたった 2 個は少ない気がしますが、エネルギーだけは十分満たしています。

 これと合わせて、下に掲げる 「日本人の食事摂取基準( 2005 年版)〔厚生労働省の資料より〕」 をご覧ください。

エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)

※成人では推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルとして算定した。
18~69歳では、身体活動レベルはそれぞれI=1.50、II=1.75、III=2.00としたが、70歳以上では、それぞれI=1.30、II=1.50、III=1.70とした。50~69歳と70歳で推定エネルギー必要量に乖離があるように見えるのはこの理由によるところが大きい。

15~69歳における各身体活動レベルの活動内容

この表によりますと、例えば 40 歳代の男性で、 「身体活動レベルがⅡ」 の人であれば、体格などにもよると思いますが、 推定エネルギー必要量 が 2650kcal /日となります。先ほどの食事内容( 1034kcal )だけで 1 日の必要量のほぼ 40 %に達しています。

 問題は PFC バランス です。前回のレポ−トでご説明しましたように理想は、 「たんぱく質: 12 〜 15 %、脂質: 20 〜 25 %、炭水化物: 60 〜 68 %」 といわれています。表中の「あんぱん」は炭水化物が多いですね。これは餡と砂糖の占める割合が高いからでしょう。他の洋風のパンは押し並べて脂質の割合が高いことがわかります。ドーナツなどやはり揚げ物は量の割にカロリーが高くなります。(それでも時として私は食べます!)

 同じカロリー摂取でも、栄養成分でダイエットの方向はかなり変わってきます。炭水化物よりも脂肪は燃えにくいので皮下や内臓に蓄積されやすい、つまり「太りやすい」ということになります。 摂取エネルギーが熱として消費される割合は、糖質 10 %、たんぱく質 30 %、に対して、脂肪は 3 % ということです。同じカロリーのお菓子を食べたとしても、砂糖を使った饅頭などの和菓子とバターなどを使ったケーキなどの洋菓子を比べた場合、脂質の多い 洋菓子の方が太りやすい ということになります。(ケーキ屋さん、ごめんなさい。でも、私はわかってても食べてます。)
こちらの表をご覧下さい。この表中で見ると「あんぱん」より、ほぼ同じカロリーの「ドーナツ(マンハッタン)」の方が太りやすいということが言えます。

 この中に調理パンを一つ取り上げました。ご覧の通り PFC バランスは決してよくはありませんが、菓子パンと比べればずっと改善された状態になってます。実際食べてみても、カロリーは他の菓子パンより低いわりに満足感もあると思います。お昼には菓子パンより、サンドイッチの方がよさそうですね。

 次に米飯類を見てみましょう。こちらの表をご覧下さい。もうお分かりですね。おにぎりは「炭水化物の塊」という感じです。残念ながら、バランス悪いです。おかずが必要です。おにぎり 3 個で昼を済まそうとしてはいけません。(種類にもよりますが、単純計算で、 510kcal 。絶対太りません!ね?)

 お弁当はどうでしょう。なかなかのバランスですね。飲み物もカロリーのほとんどないお茶などでしょうから、これ以上熱量は増えないでしょう。他の栄養成分のビタミンやミネラルに関しても見た感じお弁当の方がバランスよさそうです。今回は「幕の内」を選んだので、「から揚げ弁当」など他の種類の弁当ではまた様子も変わってくると思います。ちなみに「ハンバーグ弁当」は 800kcal を超えておりました。

 現代社会はますます体を動かさなくてよい環境になっております。一方では、スイーツ系の甘くておいしい新商品は次から次にと矢継ぎ早に世に送り出されています。正しい知識をもって踏みとどまることが肝要かと!存じます。

第1回 日本人とお米
第2回 五味調和をテーブルに!簡単!美味しい!山本式調理法
第3回 マクロビオティックを再認識!
第4回 “「ご飯は太る」は嘘”だそうです!
第5回 「PFCバランス」と「日本型食生活」
第6回 カロリーにこだわる!
第7回 ファーストフードの裏側
第8回 精米の原点「水車」を訪ねて
第9回 「食」は運命を左右する
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