第4回 “「ご飯は太る」は嘘”だそうです!

 最近のスーパーやコンビニのお弁当を見て、やたらおかずが増えご飯の占める割合が小さくなっていることを大変残念に思っている私ですが、この状況を打破する可能性を秘めた(?)頼もしい意見を唱える方の記事を見かけましたので皆さんにご紹介したいと思います。

 記事は「ライス・ビジネス」というわれわれ米穀関係の業界紙の2006年12月11日号で見つけました。タイトルは 「『ご飯は太る』は嘘」サブタイトル「米は最良のダイエット食 京都大学森谷教授マイスター会議で講演」と題し、 第6回お米マイスター全国ネットワーク会議での京都大学大学院人間環境学科教授の森谷敏夫氏の講演内容(演題「ご飯食が肥満、メタボリック・シンドロームを予防する」)がまとめられておりました。
 記事には「米の消費を減退させる大きな原因になっているのが、『米を食べると太る』いう誤解である。特に若い世代でこれを信じている女性が多く、『ご飯 抜きダイエット』や炭水化物ダイエット」などの誤ったダイエット法が横行している。…中略…森谷敏夫氏は、この誤解を徹底的に論破し、ご飯食こそ肥満を防 止し、生活習慣病を予防するための理想的な食生活であることを学者の立場で具体的に説明した。」とあり、講演の内容を大変うまく要約しておりました。 以下、記事の内容です。

「ライス・ビジネス」 2006年12月11日号より。原文は縦書き。

 前略…糖尿病の原因は米の食べすぎではない。米の消費も砂糖の消費も年々減ってきているのに、糖尿病が増えているのは何故か。それは食べ方が悪いからで ある。米を主体にした食事をしっかりしていたら、人間は本来太らないようにできている。米を食べずに肉ばかり食べているから太っている。あるいは食べる順 序が悪いから太っているのである。肥満はそれだけで病気である。…中略…(ここで 「BMI指数」について触れる。これについて詳しくは本コラム第3回をご覧ください。)
 一番良い体重はBMI22。これを標準体重と言い、22×身長×身長で求められる。 なぜ標準かというと、これくらいの体重の時が、最も病気で死ぬ確率が低いからである。 一番病気で死ににくい身長と体重の比率が22なのである。肥満症になるとなぜ死亡率が高くなるのかというと、糖尿病や癌や高血圧などの病気になりやすい遺伝子が肥満によって発生するからである。  癌の六割は口から入る。癌の原因の30%はタバコだが、残りの六割は口から入る食べ物によって発生する。だから、米も野菜も肉も魚もいろいろ食べること によって、発癌性の物質を薄めて行かなければならない。本来、食べ物に悪い食べ物はない。しかし、食べ方が悪いから肥満になり、病気になるのである。

  糖尿病の最大の原因は運動不足である。宇宙飛行士はみんな糖尿病になる。何故なら、宇宙空間は無重力であり、筋肉を働かせる必要が全くないからである。 筋肉はブドウ糖や脂肪を最も大量に燃やす臓器である。筋肉が全く働かなければ、脂肪もブドウ糖も全く燃焼できない。現代人はほとんどこの宇宙飛行士に近 い。どこへ行くにも車で、新幹線に乗るにもエレベーター。ほとんど運動しない。ブドウ糖や脂肪が燃焼できないから糖尿病が増えているのである。
 「米を食べたら太る」というのは現代人の最大の誤解だ。米は脂肪にならないことは、世界の医学界で証明されている事実である。ただし、現代の日本人は食 事のやり方に問題がある。晩酌してつまみを食べ、一番最後にご飯を食べるから太ってしまうのである。血糖値があがれば満腹感があるから、それ以上食べられ ない。晩酌と一緒にご飯とおかずを食べれば、血糖値が早く上がるから食べる量も少なくて済み、それだけ太らない。食事の順番を変えるだけで痩せられる。
 実験では、米を毎日1,000キロカロリー食べて、体についた脂肪は10日間でわずか90gであった。また、別々の学生に米中心の食事と脂肪中心の食事 を毎日三食与えたところ、朝食で脂肪食を食べた学生は昼までには空腹感が強くなり、昼食は米食の学生より余分に多く食べた。空腹感が強い飢餓状態になる と、人間は脂肪を保存しようとするので、余計脂肪が燃焼しなくなる。米食の方は血糖値が上がりやすく、しかも上がった状態が長続きするので、空腹感を感じ ない。したがって次の食事も大食いすることがない。したがって、米を中心とした食事の方が太らないことは確実である。
 日本食の食生活は油と脂肪の摂取が大幅に増えた。脂肪食だと満腹感がないからいくらでも食べられ、しかも運動不足だから、必然的に太ってしまうのであ る。米を中心としたバランスの良い食事をきっちり考えて食べさせたら、これほどダイエットに素晴しい効果を持つものはない。またメタボリック・シンドロー ムの改善にも有効である。米を食べても太らない、米は脂肪にならない、ということを皆さんが消費者にちゃんと説明してあげれば、国民が健康になり、医療費 も減り、これほど良いことはない。

以上、冒頭だけ一部省略させて頂き、それ以外は原文そのままです。
要約をまとめてしまうと受け取り方の違いが生じて誤解があるといけませんので今回は敢えてそのまま掲載しました。講演の要約とあって前後の説明不十分でや やわかりにくいところや、ひょっとしたら実際の講演内容とニュアンスの違いもあるかもしれませんが、このような意見もあるということでご覧になって頂けれ ば幸いです。

「食べ方」の問題については、2006年8月13日の朝日新聞にも関連の興味深い記事がありました。「早食いは肥満のもと」と題し、名古屋大学のグ ループのある調査結果が掲載されていました。よく言われることは「早食いで太るのは満腹感を感じないうちに食べ過ぎてしまうからだ」ということですが、同 じ量を食べても食べる速さが速いと太りやすいという結果が出たそうです。ただその原因はまだ解明されておらず、「早食いだと、エネルギーの取り込みを促進 するホルモン、インスリンが過剰に分泌される可能性などが考えられる」そうです。

グループの豊嶋英明教授は「早食いのくせは若いうちに身についているようだ。よくかんでゆっくり食べる習慣を、子供のころから身につけてほしい。」 と。確かに、よくかむことは唾液ともよく混ざり、消化吸収も良くなり、内臓への負担も小さくなります。あごも発達しますし、脳の働きを良くすると言われま す。しかし、既に大人になってしまったわれわれはどうしましょう。
「習慣は第二の天性」と言われます。一度身についた習慣はなかなか直しにくいですね。
この忙しい毎日、いつもゆっくりご飯をかめる時間があるとも限りません。体を健康に保つには強い意志が必要ですね。皆さん、2007年は始まったばかりです。今年もできるところから少しずつ実行していきましょう!

第1回 日本人とお米
第2回 五味調和をテーブルに!簡単!美味しい!山本式調理法
第3回 マクロビオティックを再認識!
第4回 “「ご飯は太る」は嘘”だそうです!
第5回 「PFCバランス」と「日本型食生活」
第6回 カロリーにこだわる!
第7回 ファーストフードの裏側
第8回 精米の原点「水車」を訪ねて
第9回 「食」は運命を左右する
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