第2回 五味調和をテーブルに!
簡単!美味しい!山本式調理法

今回は、常日頃から食事や健康についていろいろとアドバイスを頂いている料理研究家山本千代子先生をご紹介いたします。先生は自ら山本料理教室を主宰する傍ら、福岡市内のカルチャーセンターなどで薬膳料理の指導をされ、また、企業関係のレシピ開発にも取り組まれるなど多忙な毎日を送っていらっしゃいます。

「薬膳料理」と聞くといろんな珍しい漢方の食材を使う何か特別の料理だと思っていたのですが、山本先生の場合はちょっと違います!先生がおっしゃるには、「薬草などの特別な材料は使わず、食材そのものが持つ栄養素や旨味を最大限に生かし五味調和を整えること。それが私の薬膳に対する考え方です。」さらに、「健康を増進し維持するための料理はもちろん、病気を治したり予防したりする料理の追及も私のポリシーの1つです。」と。

さて、五味とは何でしょう?「食材には必ず薬味と薬性があり、それぞれ効果と効能があります。それに味付けをしたり、調理をしたりするとさらに体にはたらきかけるようになります。味には五種類あり、それぞれが体に作用しています。またそれぞれの味も互いに作用し合っています。」 その5つの味とは?

先生の話によると、味には上の図にあるような関係があるといいます。(矢印ははたらきかける方向を表しています。)
味には、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味、の5種類があり。その味が体の各部と密接に結びついており、特定の部分にはたらきかけるというものです。

さて、五味とは何でしょう?「食材には必ず薬味と薬性があり、それぞれ効果と効能があります。それに味付けをしたり、調理をしたりするとさらに体にはたらきかけるようになります。味には五種類あり、それぞれが体に作用しています。またそれぞれの味も互いに作用し合っています。」 その5つの味とは?

1.酸味

収斂(しゅうれん)作用がある。レモンなどを食べると筋肉を和らげる効果がある。また。眼の働きをよくしたり、胆汁を多く出したりする働きがある。

2.苦味

苦味のある食物は消炎作用がある。激しい運動の後の心臓を冷やす働きがある。

3.甘味

滋養強壮作用が強い。胃などの消化器系の緊張を和らげる。上手に食べれば肌がツヤツヤになる。

4.辛味

発散作用がある。血行を良くし、発汗作用を促す。大腸の動きを活発にし、肺のガス交換を高める。鼻に作用する(コショウを吸うとクシャミが出る)。

5.塩味

ものを和らげる効果がある。体内の水分バランスを司る。

結論。
山本先生の唱える「薬膳料理」とは、「細かく分類された材料に、さらに五味を調和させた料理方法。」ということになります。

「例えば、『巻き寿司』を考えてみましょう。ご飯は『甘味』に属します。すし酢は『酸味』ですが『甘味』も入っています。具は、ほうれん草が『苦味』、卵は『甘味』、海苔は『塩味』です。すしにはよくショウガを添えてありますね。これは『辛味』となります。つまり『巻き寿司』は、五味のバランスが見事にとれた料理なのです。」このように説明されますと「巻き寿司」という料理を見直してしまいますねえ。

先生はこの考え方をさらに効率よく生かす調理法も開発しておられます。
この五味調和を整えるための調理法です。
その名も「山本式調理法」です。
なんと!先生はこの調理法で特許を取得されているのです(特許第2722050号)。
先生の話から、その特徴をまとめると次のことが言えます。

山本式調理法の特徴

1. 野菜の持つアクを旨味に変え、香りを引き出すよう仕上げる。

2. 調理中に空気に触れることなく、油の酸化やビタミンの損失を最小限にとどめる。

3. 調味料は普通の半分しか使わない。

先生に実際の作り方を1つ教えていただきました。山本式調理法で「肉じゃが」を作ってみましょう!

一般的な肉じゃがの作り方

【材料】

牛肉(200g)、ジャガイモ大4個(600g)、たまねぎ(大1個)、水(1.5カップ/300cc)、砂糖(大さじ3~4)、醤油(大さじ2~3)、サラダオイル(大さじ2~2.5)、針生姜

【下準備】

1. 牛肉3センチほどに切ります。

2. ジャガイモは面取りをしながら皮をむいて水につけます。玉ねぎはペン切りにします。

3. 生姜は細く切って水につけます。

【作り方】

1. なべを温めて、サラダオイルを入れ、牛肉を入れて炒めます。

2. 玉ねぎ、ジャガイモを炒めてから水を入れます。煮立ってきたらアクをすくいとり砂糖と醤油を入れて煮ます。

3. ジャガイモが柔らかくなったら出来上がりです。器に盛り付けて針生姜をあしらいます。

山本式肉じゃがの作り方

【材料】

牛肉(200g)、玉ねぎ(大1個、小なら2個)、ジャガイモ(600g)、みりん(大さじ2~3)、オリーブ油(大さじ2)、塩(小さじ2分の1)、水(2分の1~4分の3)
※山本式では肉じゃがには醤油と砂糖は使用しません。

【下準備】

1.肉は3センチほどに切ります。

2.玉ねぎはくし切りに(ペン切りとも言う)、ジャガイモは皮をむいて1口大に切り、水にはつけません

3.針生姜は盛り付ける前に切り、水につけたらすぐに取り出します。

【作り方】

1. 温めていないなべにオリーブ油と塩を入れます。

2. 玉ねぎを入れてジャガイモをその上に載せてなべにふたをします。

3.小さい火にかけます。そのまま15分間おきます。水とみりんを加えて煮立ってきたら火を小さくします。

4. フライパンを温めて牛肉を炒めて"3"の中に入れます。

5. ジャガイモに火が通ったら出来上がりです。この間にアクが出たらすくいとります。

6. 器に肉じゃがを盛り付けて針生姜をあしらいます。

いかがでしょうか?
皆さんも一度山本先生の調理法を試されて、これまでとは違う「肉じゃが」を味わってみては。

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